触感と身体感覚、複雑系の音楽

昨日は、午後はハコミセラピー
http://hakomi.net/
の仲間と自主グループ、

夜は国立NO TRUNKSへ
http://hakomi.net/
芳垣安洋dsと林栄一asのライブを聴きに行く。

「NO TRUNKS」は国立駅近くのビルの5階、ドアを開くと、アルテックのA7(映画館などで使うような大きなスピーカー)から音が流れている。
酒が飲めて週末ライブもある、ジャズ専門CD屋さんなのです。

泡盛のロックを飲みながら、演奏が始まるのを待つ。
ドラムスとアルトサックスの1対1。
でもどうしたって、私の耳と眼は芳垣さんの方に釘付けになってしまうのだ。

お互いの間合いをさぐるようなフリーな音の出し始めから、
やがて何かの収束する1点が生まれ、
そこからasとdsが、互いに展開したり収束したり、うねり広がったりする、
音の「流れ」が起こって来る。
ドラムセットの中では瞑想しているようでもあり、
天空から降りてくる「何か」を2人がつかまえ、チュニングし、そこで音楽しようとしている、ようでもある。

芳垣さんのdsは、独特である。
低くセットしたシンバルを打つ時の、腕の「振り」とタイミング、
バスドラの音は、なんだかチンドン屋さんのようにもきこえる。
シンバルにはボール・チェーンを巻き付け、
引きずるように打ち、こすり、手の平でも叩く。
スティックをマラカスにも持ち替えて、「シャカシャカ」と響かせながらそのままドラミングしてしまう。
音色と質感の多彩さ。
そして実際に演奏されているビートの背後に、潮騒が打ち寄せるような大らかなリズムも感じられる。

これはまったく、触感と身体感覚の音楽だな。

そしてライブの最後に演奏されたのは、チャーリー・パーカーの曲か。
ジャズは(特にこうした即興演奏が生命のように息づくものは)、複雑系の音楽であるのです。
つまりは、チャーリー・パーカー複雑系の出会い、かな。

芳垣さんのHP
http://www.japanimprov.com/yoshigaki/yoshigakij/