音楽と香りーードビュッシーから共感覚


「あなたに逢えて よかった
 あなたには 希望の匂いがする♪」
と唄ったのは、和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのは あなた」ですね。
「希望の匂い」を発しているひととは、どんな人だろう…。


香りを感じさせる音楽として、まず思い浮かぶのは
ーードビュッシーがいます。
」という曲も、
音と香りは夕暮れの大地に漂う前奏曲集第1集第4曲)」というのもあります。
▼CD「ドビュッシー・リラクゼーション」BMGジャパン
は、選曲も良くてオススメです
ドビュッシー・リラクゼーション


クロード・ドビュッシーの音楽を聴いていると、
淡いピンクや、透明な虹色のグラデーションの、
色彩の流れが、私には感じられます。
それは感情でもあり、身体感覚、ふくらみやスペースなどの空間感覚や、
呼吸のリズムでもあるでしょう。


「映像を感じさせる音楽」や「音楽を感じさせる映像」があるように、
ドビュッシーの音楽は、さまざまな感覚を同時に感じさせてくれる。
これは「共感覚」と呼ばれる現象です。


共感覚」とは、数字に色がついて見えたり、音を聴くと色を感じたり、
2つ以上の感覚が交じり合うこと。
最新の脳科学によればこれは「交差活性化」によって起こるらしい。
(もともと隣接する脳の部分は、お互いに抑制しあっているのですが、
神経伝達物質などの変化により、
離れた脳の部分同士でもリンクするようになる現象)


共感覚は創造性と関係があり、
クリエイティブな職業の人には一般の8倍も起こる、といわれます。
さらに隠喩の発達
(一見、関係のないもの同士に、深い意味の繋がりを見いだすこと)には、
共感覚の神経生物学的基盤があるようです。


詩の言葉は、ここから生まれるのですねーー
実は共感覚は誰にも身近に起こっているのです。
「希望」と「匂い」と「目の前のひと」をひと繋がりに感じられることが、そうでしょう。


いろいろな感覚を同時に感じられることは、ひとの脳の可能性を進化させる
ーーとみたらいかがでしょう。
全体的な体験=いろいろな感覚チャンネルで同時に体験することが、
創造性を産み出し、
それは古代的・原始的であると同時に、未来的でもあるのです。
色彩の流れに入っていくように音楽を聴き、
香りの世界に入っていくように、それを味わう。


さて、「希望の匂い」を作るとすれば、
あなたはどんな精油ブレンド(調合)するでしょうか??


HPの新企画として、「音楽と香り」についての連載記事を始める予定です。
http://www.ne.jp/asahi/bun/tao/ でご覧下さい。