タブラのビートに「永劫の今」を感じるーーサラーム海上さんの著書から


PLANET INDIA プラネット・インディア インド・エキゾ音楽紀行

PLANET INDIA プラネット・インディア インド・エキゾ音楽紀行

サラーム海上さんの著書「とびだせジャパニ エキゾ音楽超特急」双葉社 と「プラネット・インディア〔エキゾ音楽紀行〕」河出書房新社 を読んでいたら、
我慢できなくなってタワー・レコードに直行してしまいました。
ナハハハ。


そうして買ってきたカーシュ・カーレイのCD「リベレーション」を聴きながら、
今ブログ原稿を書いてます。
カーシュ・カーレイに代表される音楽”エイジアン・マッシブ”によくみられるーー
インドの伝統的楽器であるタブラと、
現代の打込み音楽であるブレイクビーツドラムンベースとの絡みは、
やたらと心地良いのです。


「どうしてこんなに快感な音楽なのだろう?」ーー
夕暮れ時の渋谷の街を歩きながら、
私は洞察していました。

エイジアン・マッシヴ

エイジアン・マッシヴ



「とびだせジャパニ」でカーシュ・カーレイはインタビューに応えて、
こんな風に説明していますーー
エロクトロニックな音楽ってプログラムが基本だろ。
タブラの演奏法はそれに近いんだよ。
…タブラとエレクトロニックな音楽は技術的な面がとても似ているんだ。
あるテンポを2倍のテンポにしたり半分にしたりね。
だからテクノとタブラの演奏はよく合うんだ」p82


ウ〜ン、そうかもしれないけど、
もっと深いことではないかな。


日常的な意識では、自分が生きている「今」というのは、
ほとんど意識されないか、
うっすらと「今〜〜〜〜」と自覚されるくらいでしょう。


これがシャーマン的な意識状態においては、
「今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・今・・・・」と
瞬間瞬間の「今」の連続体として認識される状態が、ある。
さらにいえば、
これらの「今」は均質な「今」の連続ではなくて、
ビミョーな「ゆらぎ「や「うねり」をもちながら、
連続する「有機的な流れ」でもあるのだ。


超絶のテクニックで、例えれば「タカタカ タカタカ タタカタ、ドンッ」と、
小節を限りなく細分割するタブラの音に、
意識を集中して聴いていると、
細かく刻まれた一瞬一瞬と、向かい合うことになる。


それが逆に「永劫」のような、
時間から自由になった感覚を認識させられるーー
のではないでしょうか。



また、インドの人間国宝級であるタブラ演奏家ザキール・フセイン氏は、
「プラネット・インディア」で、こんなことも語っているーー


「チッラーはプロセスなんだ…
子供が大人になるためのイニシエーションさ。
…インドでは演奏家が行なうんだ……
グルのまたグルが住んでいた聖なる場所に行き、
一人になり、
毎日約18時間音楽を演奏し続ける。


その間、ずっと1人で特別な食事だけを摂って演奏を続けるから、
音楽の振動がとても強くなって、
精神を様々な場所に連れて行くんだ。
…幻視を見るし、未来も見る。
自分自身を見る場合もある。


……とても難しいプロセスだ。
本当にスピリチュアルな体験だ。
自分自身を知るし、制御しなければならない。
一種のコミットメントだ。
でもとても重要な成長のプロセスなんだ」p213


「チッラー」とはつまり、「ビジョン・クエスト」ですね。
こうしたプロセスの中で、演奏家は「振動=バイブレーション」と一体化し、
「永劫の今」を感じる。



おそらくこうした智慧は、インドではかなり昔から、
もしかしたら数先年前から伝承され、
一種の教育システムとして、形作られてあるのではないでしょうか。


「バイブレーション」を感じることは、個々人の内面や脳内現象に限定される出来事ではない。
「バイブレーション」は、その人全身の免疫系を振動させ、活性化するだろう。


さらには個人を越えて、ひととの「間」、「場=フィールド」に生起する
「今・今・今・今・今・・・」を
ひとに体験させるのではないだろうか。



「エキゾ」な音楽を求めて、インドや中東や世界中を旅して、
その「エッセンス」を届けてくれるサラーム海上さん。
彼みたいな方がいるから、私達が日本にいながらにして、こうしたことに触れられるんだな〜。
ありがたいこと。シ・ア・ワ・セ。



こりゃヤッパリ〜、3/2(金)のサラーム海上さんの講座「イエメン編」と、
DJイベント「Orient Express」、
行かないわけにはいかないな〜。



サラーム海上さんのブログ「CHEZ SALAM サラームの家」もオススメ
http://www.chez-salam.com/


ザキール・フセイン(タブラ)、カーシュ・カーレイ(ドラムス)、
ニルス・ペッター・モルベル(トランペット)による、
超スーパー・セッションのライブ映像をYouTubeでナ〜ント!見れます。
他にビル・ラズウェル(ベース)、ウスタッド・スルタン・カーン(サーランギ)、
Dj Disk(ターンテーブル


ザキール・フセインがタブラをたたく手元も、アップで見られるよ!!
スッゴイ世の中になりました。


Bill Laswell Axiom Sound System Musical Freezone 06 (part1) :


Bill Laswell Axiom Sound System Musical Freezone 06 (part2) :


Bill Laswell Axiom Sound System Musical Freezone 06 (part3):) :


Bill Laswell Axiom Sound System Musical Freezone 06 (part4) :