「陰と陽の合一 月と太陽の結婚の香り」の物語り


いろいろお世話になっているKさんから、息子さんの結婚パーティに流す香り製作を依頼され、
「陰と陽の合一 月と太陽の結婚の香り」という、
この日のためだけの特別なブレンドを作りました。


いつもは30分から1時間くらいで、ひとつ香りをブレンドできるのですが、
今回は数日間難航してしまいました。
以下は、この香りが生まれるまでの、チョットした「物語り」です。



●第1日目6/4月曜  CTIコーアクティブ・コーチング中級コースの、締めくくりも終わった翌日。
私は引き続いて、朝1番で「肝臓洗浄」に取りかかった。


デトックスの1種で、硫酸マグネシウムを用いた断食なのですが、
はじめてまもなく、ナントナ〜ク「自分の気力が潮が引くようにダウンして行く」のがわかる。
マズイナ〜。「肝臓洗浄」しながら、Kさん依頼のブレンドを作るつもりだったのに……。


肝心の排出されるべき老廃物(コレステロールや結石)は、ナカナカお目見えにはならず。
ブレンド作業は中止にして、「肝臓洗浄」だけに集中……
としました。



●第2日目6/5火曜  気分を切り替えて、ブレンドに取りかかろうとするが、身体はフラフラ状態。
手に持った郵便物の宛名が、チラチラして読めないくらい(トホホホ、涙)。
身体の深部から排出する「肝臓洗浄」は、思っていたより遙かに、
気力・体力を奪うようだ。


しかもCTIの「イン・ザ・ボーンズ」3日間の直後!
自分のオッチョコチョイさを、また知らされるのです。


とりあえず、「陰と陽の合一」という凄いテーマでブレンド作業を始めるけれど、
なんだか自分でも「ヘン」だ。
香りに不思議なくらい「新鮮さ」が感じられないのです。


自分の「ブレンド勘」が突然失われたのだろうか……と、
アセリであぶら汗も滲んでくる。
ブレンドができる時、私の内側では、
ジグソーパズルの最後の部分が瞬間的にパチパチとはまるように、
精油の配合が決まって行くのですが、
そういう感覚がぜ〜んぜん無い。


これはいったい、何が起こっているのだろう?
作りかけの香りを横において、
眠れない夜を過ごす……。



●第3日目6/6水曜  真由美と話していて、今回のブレンド製作にあたって、私の見落としていた重要点に気づかされるーー
つまりこちらとしては、「フツーに良い香り」というのとは全く違う「深さ」でブレンドしているのを、
「プレゼンテーション」できることが大切。
「プレゼン」がなかったら、意味が無いくらいなのです。


急遽おもいたって、大変申しわけないですが「今回の件は中止したい」と、
私の判断でKさんの携帯のご連絡する。


すると不思議なことに……前後してKさんからeメールが届いていて、
(私が実際プッシュしたわけではないのに)
当日司会の方からこのブレンドについてご紹介頂けるーー
という連絡が来た。


そういうことなら、ありがたい!!
私は再度ブレンド作業に取り組み始めた。



とはいえ、香りはまだいわば「沈黙状態」。
私の気持ちとしてはなにより、
アロマをまだ未体験の方々にも「こんな香りがあったんだ〜」と
新鮮な驚きを与えられる「何か」を創造したいのです。


その時フト、インスピレーションが湧いたのです
「エレミを使ったらどうだろう!?」
最初に作ったネロリやメリッサ、オレンジ等を中心にしたブレンドから、
エレミ、ジャスミン・サンバック、ガルバナム・ハニー、ラベンダー・アングストフォリアの4つを中心としたブレンドに作りかえてみた。


この4つのブレンド、それはさながら……
赤紫やオレンジ、水色やイエローの「光の帯」が織りなし、
絡み合い、流れている映像です。


エレミはフェンネルに似た、ちょっとクセのある香りなんですが、
この4つの間ではふしぎなくらい溶け合って、
「陰と陽の合一」をおもわせる、エネルギーの「流れ」を産み出すようです。
ワクワクワク。


こんな瞬間があるから、
「香りの世界」は奥深い。



●第4日目6/7木曜  話は、まだまだ変化します。
このブレンドの概要(この下に付いてます)を納品に先駆けてeメールしたら、
興味を持ってくれた新郎新婦が、「南麻布の結婚パ−ティ会場に直接納品してもらえないか」という連絡が入る。
ウ〜ン、ブレンドの最終調整はこれからなのになあ。


休憩する間も無く、
機材と精油のセット一式を抱えて現場へ。



南麻布の会場は、大正時代の洋館をまるごとつかった、
閑静でセレブな場所でした。
「大正」の建築というの素敵ですね。
私の子供の頃、実家の近くに残っていた古い図書館を思い出しました。


ブレンドのサンプルを新郎新婦に試して頂くと……
会場のあちこちで香りを漂わすだけでなく、
「皆様にお渡しする手作りのカードにも、この香りを付けたい」
と新たなお話……。


それには香りを最終調整しながら、さらに分量を倍にしなければならない。
会場の方のご好意で場所をお借りして、
急遽、またブレンド作業です!!(汗)


「30分くらい」とタイム・リミットを感じながらの作業。
受験みたいな緊張感も感じつつ、
ハイ・テンションになっている自分がいます。


エレミ、ジャスミン・サンバック、ガルバナム・ハニー、ラベンダー・アングストフォリアの4種を中心にナツメッグやロータスを加えてあれこれしていると……
会場のアロマポッドで焚く「青い瓶」と
手作りカードに香りを添える「緑の瓶」が出来ました。



全てをお渡しして、新郎新婦とKさん達にご挨拶して会場を後にしたら、
「Kさんは私に、仕事をプレゼントしてくれたんだ」
と気づきました。

たった数日間なのに、
随分たくさんの「やりとり」と「気づき」がありました。



以下に続いているのは、
この「陰と陽の合一 月と太陽の結婚の香り」にブレンドした、
それぞれの精油についての簡単な紹介文です。
この文章も陽花(真由美)がデザイン・内容を整えて、
皆様にお渡しするリーフレットとして作成してくれました。
ありがとう。



いかがでしょうか?
こんな風に"アンフォールド Unfold”では、
各種イベント、パーティ、ライブ等で、
「香りで場を演出する」お手伝いも請け負います。


気軽にお問い合わせ下さいね bun@unfold.jp
HP  http://www.unfold.jp/


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○●陰と陽の合一 月と太陽の結婚の香り●○


エレミアラビア語でエレミとは「上と下」、
つまり「上にあり、下にある」という意味。
つまり「現実の日常生活」と「精神的な探求・精進」とのバランスをとる
ーーといわれます。


ジャスミン・サンバック:ヒンドゥ教の愛の神「カーマ」は、ジャスミンの香る矢と弓を握って、恋心の訪れを告げる存在でした。
この香りは、「陽」の強さとダイナミズムと「陰」のやさしい性質を合わせ持ち、
セクシャリティを「創造性」に変容させます。


ガルバナム・ハニー旧約聖書にも記される、古代からメディテーション(瞑想)や祈りに用いられてきた香りのひとつ。
脳を活性化し、静かで「感謝」に充ちた意識状態に導いてくれます。


ネロリ:オレンジの花から抽出された香り。
安心と強さをもたらし、
私達の内なる「太陽と月=自我と潜在意識)を再び融合する
ーーといわれます。


ブルー・ロータス:インド産の青い蓮の花の香り。
「時間を超越した愛」、「彼岸」を感じさせる香りでもある。
心の曇りをとり、献身の気持ちを高め、繁栄を導くーといわれます。


メリッサ:ヨーロッパの伝統的な薬草療法では古くから、ウツや脳神経系の不調に用いられたハーブ。
意識の奥にある「内なる子供(インナーチャイルド)」に届き、
安心を与える。
「不信」を「純真さ」に転換させる。


サンダルウッド(白檀):四千年以上前からアジアの文化と宗教に親しまれ、
寺院の建材や神々の彫像、仏教やヒンズ−教の寺院では香として焚かれてきました。
世俗の超越ではなく、自分の本質に立ち戻り、
「今、ここ」に気づくようにうながします。     



●他にローズ・ゼラニウム、オレンジ、ラベンダー・アングストフォリア、カルダモン、ニアウリ・ネロリドール、パチューリ、レモングラス、プチグレン、ナツメッグ等の
全部で15種以上のエッセンシャル・オイルを調合して、この香りは創られています。