巡礼の旅と夢の時間ーー映画「サンジャックへの道」から


サン・ジャックへの道 [DVD]

サン・ジャックへの道 [DVD]

レンタル・ショップのTUTAYAを歩いていたら……
まったく知らなかったけど、面白そうなDVDを発見して借りてきました。
こんな風に出会った映画が「当たり!」だったら、ウレシイですね。


犬猿の仲の3兄弟(長男・長女・次男)が遺産相続の条件として、聖地サンティアゴ(サン・ジャック)まで、1500kmもの巡礼路を一緒に歩くことになる。
無神論者で歩くことなど大嫌いな3人が、
激しくののしりあいながらも2ヶ月余りの長旅を共に歩き、
その過程で自分への「気づき」が湧いてきて、
変容していく物語。


しっかり者の長女役のミュリエル・ロバン、
仕事中毒で長男役のアルチュス・ド・パンゲルン、
アルコール中毒らしい次男役のジャン=ピエール・ダルッサン
と、3人の兄弟があつまる冒頭のシーンで、
それぞれの「面構え」だけで、もう何か? 
雰囲気がアリ過ぎる(笑)


サン・ジャックへの道」公式サイト http://www.saintjacques.jp/index.html
によりますと、
それぞれの俳優さんみんな、監督経験や作家でもある人達なんですね〜。
納得!
彼らも含めて、9人の団体が、サンティエゴ目指して徒歩の旅をするのですが、
それぞれの「表情」をみるだけでも味がある映画です。
何か? が「表情」にあらわれている…(笑)



歩き疲れて疲労困ぱいな中で、
旅人が夢見る幻想シーンもたくさん挿入されている。
それぞれの「夢」や「願望」がシュールな映像で展開する様子は、
「見る者」に謎をかけるようで、とても愉しい。



「巡礼」ーー最低限の荷物だけを背負って、
自然の中をただひたすら歩き続ける行為とは、いったい何だろう??


「日常生活から離れる」ことがおそらく、
旅の中で「自分を再発見する」ことを促している。
でもこうして、家の中で「サン・ジャックへの道」をみるだけでも、
変容の旅に自分も同行した気分になれるのですね。
「映画」というのも、フシギな体験であり、
「夢の時間」です。