香りのメディスンーー種まき隊後半
●メディスンなんですね
1月の北海道出張のある日ーー「センツ・オブ・ノーイングは、メディスンなんですね」と、
ひとりの方がポロリと話された。
まったく、そのとおり。
センツ・オブ・ノーイングと私のアプローチは、
現代に息を吹き返したメディスンなのです。
あたりまえ過ぎるはずの、そのひと言が、
意外に新鮮に響いて、自分もチョット驚かされる。
私たち現代に生きる人間は、「メディスン」から遙かに離れた日常を生きています。
あらためて、「メディスン」とは何でしょう??
ひとつ言えるのは、それは私達をとりまく環境との繋がり=コスモロジー(世界観・宇宙観)と切り離すことができない、ということ。
むかしひとは、自分にとって「特別な樹木」を持っていて、
なにかあれば、樹木に相談していただろう。
むかしひとは1日の終りに、自分にとって「特別な場所」に座り、
ゆったりと息をつき、静かに内面をみつめるひと時を、持っていただろう。
むかしひとは、暗いうちから日の出を待ち、
オレンジ色の陽光を浴び、再生の瞬間を迎える喜びを、愉しんだだろう。
「メディスン」と言う前に、私たちは「コスモロジー」を恢復する必要があるのでしょう。
●現代のメディスンとは
香りは、神経系・ホルモン(内分泌)系・免疫系にダイレクトに関連しています。
アロマを学ぶことが、心とからだを全体的・全体論的にとらえることになるのは、
私たちにとって豊かなギフトだろう。
現代のメディスンとは、単なる「まじない」ではないのです。
個人の心とからだ、集団や場、さらに地球・宇宙規模で「起こっていること」を、
神経免疫学、最新の脳科学、複雑系の知、
現代的な関係性の知(ミルトン・エリクソンや、野口晴哉の潜在意識教育など)、
タオイズムやブッダ、禅のスピリットも持って、統合することだ。
センツ・オブ・ノーイングの、16本のグリーンのボトル達を円環に並べると……
ボトル達が何かを「ささやきかけて来る」と、直観する時がある
……秘めやかに、呟く声で。
私達がまだ気づいてないさまざまを、
香りの織り物の深部から、想い出させるように。