「前カノ」と「今カノ」と私、3人で


「こんなの初めてだよ〜」とS子。
「私も〜」と陽花が応える。
もちろん私自身も、
初めての体験なのです。


いわゆる「前カノ」であるS子と、
「今カノ」の陽花と私ーー
3人で陽花のささやかな「東京歓迎会」をおこなうのだから…。


落ち着いた雰囲気の居酒屋のテーブルに、
私を真ん中にして3人で囲む。
「今カノ」の「歓迎パーティをやりたいね」と言い出したのは、
実は「前カノ」だったのです。


私自身と「前カノ」=前のパートナーがお互いに、
すいぶん意識の深まり・変容があって、
稀にみる平和的解決が進み、
こうして「今カノの歓迎会」ともなっている…。


ここ数ヶ月、とくに7、8月は、
「前カノ」とたくさんのエネルギーを費やして、
対話を繰り返してきました。
私としては、「前カノ」を新しい生活に平和に送り出すこと、
そして「今カノ」を東京に迎える準備を整えることーー
2つの仕事が完了したのを、味わっている所なのです。


「前カノ」が「『今カノ』とも友人になりたい」と言う、
そして私と離れても、深くわかりあう友人として関係を保ちたいーーと言う、
それは真実の気持ちなのだろう…。


今まさに変化のプロセスの渦中にある
(まるでナマモノのように瞬間瞬間、味わい・キャラクターが変化している)
「前カノ」の意識と関係性を、
受け入れ、好奇心とともに興味深く凝視している、
「エゴから離れた、もうひとりの私」もいるようです。


……不思議な展開で、「カラオケに行こう」という話にもなり、
古い友人のY氏も合流して、
大きなカラオケ店のビルに場所を移す。


冷酒のグラスをかたむけながらY氏が、
「ブンちゃん、今日は幸せそうな表情しているね」。
いや〜、内面的にはいろいろフクザツに在る……のですけど。
フクザツでもあり、
幸せでもある、ということか。


「前カノ」と「今カノ」が2人で、
エゴ・ラッピンの曲で「ノスタルジア〜!!!」と叫び、
笑い転げている。


私はいつものように郷ひろみの曲で、
「もっと素直に 僕の〜
愛を 信じて ほしイイ〜」
よろしく哀愁
と、唄っていたわけです(笑)。