産まれた家を訪ねる旅」の意味

bun_tao2006-11-16



あらためてふり返れば……
「産まれた家を訪ねる旅」とは、
どんな意味があるのでしょう?


私の1番「古い記憶」あるいは「古い夢」とは、
祖母の家に、家族で帰郷する時の夢なのです。


チョコレート色の車両で、
父と母そして赤ん坊の自分が、揺られている。
そしてフト気がつけば……
父と母が周囲にいない! ひとりぼっちの私。
かたわらには、まるで両親の身代わりのように、
ネットで包まれた冷凍みかんが、置かれている…。


こうした「ひとり置き去りにされる夢」は、
(それは夢とも記憶とも言いがたいものですが)
「誰も助けてくれない」という私が抱えていた
(これは過去形ですね)
深い思い込みに繋がっている。


さらには、産まれたばかりの子供は母親との強い一体感の中にいる、
といわれます。
出産前後に母が抱えていた「不安」や「孤独感」を、
赤ん坊の私が敏感に察知していたことが
関連しているのかもしれません。


今回父が初めて話してくれたのですが、
私の出生時に父は仕事で北海道に出張していて、
「出産に立ち会えなかったこと」を、
すまなく感じていたそうです。


私の名前にふくまれている「一」の文字には、
母が一人の環境でこの世に産んたーという意味も、
込められているらしい。



本当に、「家族の物語をひもとく、小さな旅」なんだな〜。
祖母の家を私が訪ねることとは、
当時の母の「孤独」の記憶をいやし・理解する旅でも、
あったのでしょう。



▼写真の背景は、利根川上流からみた谷川岳です。