40歳になると人はーー「BAND LIFE」「40歳問題」


BAND LIFE―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集

BAND LIFE―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集

きっかけは、吉田豪さんの「BAND LIFEーーバンドマン20人の音楽人生劇場 独白インタビュー集」 だった。


GO-BANG'Sの森若香織さん、プリンセス・プリンセス中山加奈子さん、
「たま」石川浩司さん、「アナーキー」の仲野茂さん等……
ロック・ミュージシャンの「人生」を聴く、渾身のインタビューです。


私として面白かったのは、
この中の大半の方が1960年代前半生まれの、
つまり1961年生まれの私と、ほとんど同世代であること。


中学生〜高校生の頃に70年代後半のパンク・ムーブメントの洗礼を受けて、
80年代のバンド・ブームの中でブレイクし……
その後いろいろ人生が変転するーー
という所で皆さんが共通しており、
シンパシーを感じてニヤニヤしながら、
「BAND LIFE」を読んでしまいました(笑)。



さらに時を同じくして(!)
「40歳問題」http://www.40sai-problem.com/
という映画も上映中なのも知り、
昨夜は渋谷「シアターN」で、
映画「40歳問題」と、レイトショーの「アナーキーhttp://www.anarchy.co.jp/を、連続して見てきたのです。
ムフフ。



映画「40歳問題」は中江裕司監督(「ナビィの恋」)、
出演は、浜崎貴司さん(元FLYING KIDS)、大沢伸一さん(元Mondo Grosso)、桜井秀俊さん(真心ブラザーズ)他。
40代になったミュージシャン3人が、この企画で初めて集まって(集められて)、
セッションをくり返しながら共同で楽曲製作するーー
というドキュメンタリー映画


「年をとるのも悪くないーー
それは『生き方」を問いかける 
未だ観たことのない音楽ドキュメンタリー映画
となってますが、
一言でいえば、この通りの内容になっています。



私のこれまでの「対面セッション」http://www.unfold.jp/fwd3/session 
での経験から言わせていただきますと……
「30歳の壁」と「40歳の壁」というような2つの壁に、
現代人の多くは直面するようです。


30歳前後に、それまでのアイデンティティを問い直す時期があり、
さらに40歳前後にもう1度、
深くアイデンティティを揺さぶられる時期が起こります。
「中年クライシス」とか「中年の危機」ともいわれるプロセスですね。


映画「40歳問題」の中では、
大沢さんと桜井さん・浜崎さんの間で「緊張関係」が生じるのですが、
そこで「もっと壊れなくては」という主張を強くする、
大沢さんの存在が興味深いです。


おそらく「40の壁」と向かい合った時にひとは、
「安定を求める方向」と
「もう一度根本的に自己を問い直す方向」に
引き裂かれる……。



映画のラストシーンは、
共同製作した曲のライブの様子となります。
エキサイトした大沢さんが、エレキギターストラトキャスター)を振り回し、
器材を壊したまま退場……。
それは、「予定調和」を越えて、さらなる変化を求めようとする、
「怒り」や「あせり」「エネルギー」の表現ーー
と、私にはみえました。


観ているこちらのハートも、
少し痛くなります……。



40歳になって……初めて語れることがあるのです。
40歳になったから……人生を語る必然性も、あるのです。



「40歳問題」の中で、たしかこんな風に語っていた、
女優の洞口依子さんの言葉に、
私は最も共感しましたーー
「40まで、よく生きてきたな〜〜」


……こう語るしかない、人生の「味わい」が、
あるのではないでしょうか。



実は、レイトショーの「アナーキー」の方が、
さらに強力なインパクトのある映画だったのですが……
これはまた次回に書きますね(笑)。


☆☆☆



たとえ、どんな人生であったとしても、
「自身の人生を語ること」は、オモシロイ。


私の中では「植物の香りの世界」とコンタクトすることも、
人生を振り返り、
語り、
さらにこれからを展望することとーー
結びついています。


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