この世ならず…、蓮の花の写真展

中野から沼袋のGallery & Cafe Barちめんかのやまで炎天下を歩いて、渡辺眸さんの蓮の花の写真展をみに行く。

暑さで気が遠くなりつつ歩いた路上から、厚い土壁に囲まれた空間におちついて蓮の写真をみていると、なぜだか「この世ならず…」という言葉が浮かんできた。
こんな熱暑の日こそ、蓮の花の写真をみるのにふさわしいかもしれない…、とも感じた。

摂氏50度にもなるインドで、眸さんは早朝に、蓮のつぼみが音をたてて花開くの聞いた−−という。
インドの土地の、苛烈な太陽光線と、「泥沼に咲く」といわれる蓮の花が浸っている深い混沌と、しかし不思議に涼やかな水、
そして時にひとの目に宿る、激しい怒りの光のきらめきを、おもう。
そんな中でこそ、夢見るように蓮が花開くのに、ふさわしい……。