洞川温泉・天川へ

bun_tao2004-07-05

次の行動も全部地図とにらめっこして、決めているのである。
いろいろ考えると、原始林のことはともかくとして、今回は天川村に行くのが良いようだ。
とはいえ、湯の峰温泉から天川方面に抜けるバスはない。奈良県西部のここからはいったん五條まで北上し、下市口を経て奈良県東部の天川に入り直すしかない。熊野そして紀伊半島は、大き過ぎる。広すぎる。

ということで朝7時から昼11時過ぎまでかかって、バスで五條へ抜ける。
太平洋岸の和歌山県新宮から奈良県八木まで縦断するこのバスは、地域のバスとしてはおそらく日本でも指折りのロングルートだろう(全部だと6時間半にもなる)。たいしたものである。
熊野の広大さをかみ締めながら、バスに揺られている。

今回の旅は行き当たりばったりなのにも関わらず、交通期間の接続がひじょうに良い。5分・10分の間隔で次の便がやってくるので、ほとんど昼飯もとれずに乗り込むことばかりなのです。
これは何だろう? 何かに引き寄せられて旅しているのかもしれない。熊野の広さ・奥深さを教えれている、のかもしれない。

天川村の中心部洞川(どろかわ)温泉に着いたのは、結局午後2時頃。長かったけれども、時間感覚もまったりと変化しているようだ。
観光案内所で紹介してもらった旅館に荷物を置き、「エコミュージアム」や自然観察路、洞川周辺を歩いて脚の調子をみてみる。(どうも? 脚が弱くなっているのと、身体が重く感じるのです。)

大峰山(山上ヶ岳)に登るベースであり、修験者の本場でもある天川には、やっぱり不思議な雰囲気が流れているようだ。
ひとの振る舞いや眼の奥に、ねっとりと柔らかい独特な感じが、なにかある。
キャンプ場もたくさんあり、立ち寄り温泉も3ケ所もあるので、テントを持ってきて滞在すれば遊べる所だろう。

夕方やはり、にわか雨がしばらく降り続ける。
宿のご主人と相談すると、「行った道を帰ってくるのがいい」と強く言われて、妙に納得する。
こんな風にひとの言葉がすんなり身体に入ってくるのが、不思議な感じなんだけれど…。
「(昔からの)信仰の山歩きは、そんなものですよ。」そんな風にも言われた。