色鉛筆をけずっていると、心がしずまります


「センツ・オブ・ノーイングに学ぶ個人レッスン」では、参加者の方に色鉛筆とスケッチブックをお渡して、香りで体験したことを記録するようにしているのですが、
使う前に60色で1セットの色鉛筆を削りそろえる作業が、ちょっとした愉しみになっています。


ナイフを使うわけでもなく、小さな鉛筆削りでガリガリけずるだけの作業ですが、
だんだんに心が静まっていく。
自分の内の「空虚」と、対話するように。
瞑想というほどのことではないかもしれないけれど、色鉛筆をけずっていると内面が静まります。


あるがまま、そのままの自分と一緒にいる空間。
「結果や理想的な状態をついつい求めすぎてしまう自分」を手放して。
ガリガリ」という音と、自分の呼吸が聞こえるだけ……。


60色というのは、けっこうけずりがいのある量なのですが、
色鉛筆のケースを閉じろ頃には、
「さて、また仕事にとりかかろうか」という気持ちにも、なるわけです。