「なまけもの」の時間


朝起きて、「アア、今日ハ何モシタクナイ」と感じたので、午前中の散歩に出かけたのです。
私の内の「なまけもの」が、大きくなっているようだ。
公園の林を抜けて、陽の光がよく入るカフェへコーヒーを飲みに行きました。
細々した「やらなくてはならないこと」はたくさんあるのですが、まずは散歩を済ませてからにしよう。
内なる「なまけもの」の促すままに、しばらくは過ごしてみよう。


一杯のお茶をゆっくり飲むことは、瞑想とほとんど同じだ(今日はブレンド・コーヒーですが…)。
日だまりでコーヒーを味わいながら、目の前の通りを過ぎていく人々を眺めていると、
それだけで空っぽになってしまう。


iPodと繋いだイヤホンからは、耳慣れた曲がまた違って聞こえるのが、愉快です。
例えばジミ・ヘンドリックスが弾き語りするブルース・ギターを聞いていると、自分の腰もかすかに左右に揺れてくる。
ジミが長い睫毛をまたたかせながら、「この『動き』なんだよ。この動き・揺れ・タイミングが、俺にブルースを弾かせているんだよ」と話しかけてくるようだ。


コーヒーカップが空になったところで、部屋に戻ることにする。
林を抜けて、グラウンドの脇を歩いて帰る。
グラウンドの内側に敷物を敷いてひとり、ヨーガの太陽礼拝をしている初老の男性がいた。
見知らぬその男性の、内面に私はコンタクトする。
彼は私の方を向いて合掌してくれた。同じ瞬間、私の頭が自然に垂れて、その人に挨拶した。
「それでいいんだよ。」
と伝えてくれたようだった。
なんだかまるで、インドかネパールを旅しているみたいです。


それでいいんだ。
何より、その人の心が充たされて、在るように…。