ドナさんの話その3ーー「わからない」時空にたたずんでいる


最初の数分間がとても大切なのは、
サッカーでも
カウンセリング・セッションでも同じです。


あの時始まってしばらく……
私は口を開かずに、
ドナさんと向い合っていた。


それでドナさんの方から尋ねてくれたのだけれど、
「(こんな風に)言葉なく向かい合う時も、
ステキです
ーーと、私は応えたんだな。


これじゃまるで、愛の告白みたいですね。
そんなこんなが「オープンですね」という言葉に、
繋がっているのだろう。
すごく集中しながら、
同時にドナさんと向かい合う時間を「遊んでいる」味わいも、
あったみたい。



そしてドナさんは(私の内面で起こっていることが)
わからないのです」と言われた。
たぶん1時間くらいのデモ・セッションの中で、
3回はそう言われた。


このセッションのプロセスが、
ドナさんには「実際、よくわからない」という表明でもあるだろうし、
それ以上に、
クライント(カウンセリングに来られた方)に
その時起こっているプロセスに対して、
「わかったつもりにならない」ことの大切さ、
を教えているのでしょう。


「わからない」ところに、たたずんでいる。
「わからない」ことも、受け入れ・飲み込んでいるーー
この懐の深さーーなんだな〜。