祖母の家を訪ねる小さな旅ーー練炭の香り

bun_tao2006-11-12



「おばあちゃんの家の香りがするよ!!!」


11/12・13と、
私が生まれた「祖母の家を訪ねる小さな旅」に、
陽花 http://plaza.rakuten.co.jp/satukiouren/
と出かけました。
群馬と新潟の県境に白くそびえる谷川岳ーーその山麓に、
私が産まれた場所はあります。


谷川岳に向けて登って行く坂の上に、
祖母の家は建てられている。
おぼろな記憶を頼りに、
この坂道を上がって行くと……
練炭の独特な香りが、あたり一面に漂っているのに
気づかされました。


私の幼い頃ここでは、
こたつの熱源に練炭を使っていたのです。
温かく、スモーキーな、
どこかクスグッタくもある香り。


その瞬間私の脳裏にはーー
高校生の頃の伯父が、小さな私や弟と遊んでくれたことや、
……母や伯父、伯母、そして祖母と祖父、
この家の「場の記憶」として籠められていた、
みんなのたくさんの想い・感情が、伝わってきたのです。


もちろん祖母はとうにこの世になく、
その家も人手に渡っています。
それでも、鮮明に「記憶が香りから引き出された」こと
ーー「香りのチカラ」にあらためて、
私も驚かされたのでした。



かつて祖母の家の窓からは、
エレガントに2つのピークを持つ、白い双耳峰の形で、
谷川岳を望めました。


みぞれ混じりの冷たい雨の中で、
この日の谷川岳は、雲に被われて……。
それでも私は、
「あの形」を確かめるために、
ここを訪れたのです。


まるで、鮭が産まれた川に帰るように、
私は「祖母の家」を訪ねた。