グナワ音楽と「黒いトランスの香り」ーーエキゾ夢紀行モロッコ篇

bun_tao2007-08-14



たった今の私にとって、ワクワクすることって何だろう?
そんな風に感じていたまさにその時、
世界中から「エキゾ」な音楽体験を紹介するサラーム海上さんから、
こんなメールが届きました。


サラーム海上のエキゾ夢紀行・モロッコ・LET'S TRANCE編。
今回は6月に訪れたモロッコ・グナワフェスティバル最新版です。


添付写真のガイ、齢100歳近くにしてこの肌のツヤ、
老マアレム・モハメッド・アハレーズの謎とは?  
マアレム・ブラヒム・ベルカニが悪魔の山で行われた、
グナワの儀式において交わした契約とは? 
禁断の女性だけのモロッコ音楽ハダラットとは?  
グナワ界のジェフ・ミルズことマアレム・モクタル・ギニアとは?


サラームが撮り下ろしたビデオを中心に現地で手に入れたVCDや DVDを用い、
グナワとそのほかのモロッコ・トランス音楽に迫ります。」


▼詳しくは、サラーム海上さんのブログをご覧下さい
http://salamuna.exblog.jp/d2007-08-08



これは行くしかないですね〜!!
早速スケジュールを変更して、
陽花と渋谷アップリンク・ファクトリーへ向いました。



グナワとは何か?ーー
HP gnawafunkさんを参考にさせて頂きますと、こんな風に書かれています。
http://homepage.mac.com/tshimaguitar/indexgnw.html


「グナワ伝説はこう語る……
予言者の娘、ファーティマが深い鬱病にかかっていた。
彼女は部屋に引きこもり、夫であるアリーすらにも会わないと言う。
その頃は子供もいなく、予言者の家系の存続も危ぶまれていた。


誰も彼女のことを救うことが出来なかったので、予言者はビラールに頼んだ。
ビラールは木でカスタネットを作り、
髪の毛を一つのドレッドにし、貝殻で飾り付け、
ファーティマの部屋に入った。
彼はその一本ドレッドをくるくる回しながら歌と踊りを披露した。


するとファーティマは心の底から笑い出し、
鬱状態から戻って来れたと。
その後しばらくしたらファーティマはアリーの子をみごもったという。」


笑い、踊り、歌、生産力はグナワのアイデンティティーにとっては中心的な要素で、
それは全てグナワの儀礼や活動から来るもの。


(略)グナワはどちらかと言うと古くからある伝統的な音楽療法である。
現在、活動しているMaalem(師匠)らの中でもmusicotherapist(音楽療法士)と
称されている人もいるくらいだ。」



つまり、北アフリカ・モロッコを中心に伝承されてきた、
民間信仰でもあり音楽療法でもある儀礼
「リーラ」という儀式を行い、
tbel(太鼓)、ギンブリ(ベース三線)、カルカバ(鉄製のカスタネット)という楽器で演奏される。
夜を徹して人々は唄い、踊り、トランスによる癒しを体験する。


「呪術的な音楽」なんて表現も見受けられますけど、
これはマジで「トランス」するための(!)音楽と儀式なんですね。
サラームさんの撮影されたビデオをみますと、よく伝わってきます。


「トランス」状態に入ることへの意気込み、本気度、
そしてトランスが社会に根づいている普及度(!)が、
ケタ違いなんです〜。
私は、なんだかウレシクなってしまいました。

Youtubeでみつけたグナワの演奏です


特に印象深かったのは、女性だけのグナワ「ハダラット」や、
サラームさんが最初に招かれた「リーラ」での、
女性ヒーラーが中心になってのグナワ。
その「場」にたちこめていた「匂い」が、
ロッコには行ったことがない私にも、感じられてくるようなんです。


クース・ルーの重たいベース・ノートを中心に、
クローブ、サンダルウッド(白檀)、イランイラン、
それにネロリブレンドしたらどうでしょう。
深くしまいこまれた「黒いセクシャリティ」が、
グナワのトランスするリズムによって引き出され、
広がっていくようです。


「なんちゃってトランス」ではない、
「マジなトランス体験」。
これを誰にでもできる形で、ノン・アルコールで、
知的でもあり、けれどおおらかな雰囲気で、
体験できる場を日本で作れれば……
と私はおもいました。


▼これもYoutubeでみつけたグナワ・ミュージック・フェスティバルらしい映像。
こんな演奏が街のあちこちで無料で繰り広げられている…。