「コーチングのその先の未来」を探求する☆「コーチングのすべて」オコナー&ラゲス著

コーチングのすべて――その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで

コーチングのすべて――その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで

……実は、あなたがコーチングと思っているものだけが、
コーチング」ではないかもしれません。


この年末・年始の私は、ジョゼフ・オコナー&アンドレア・ラゲス著「コーチングのすべて その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで」英治出版
を読んで過ごしていました〜〜。


コーチングとは、そもそも何ですか?」
そうした質問に応えるために、
世界中にひじょうに沢山あるコーチングの手法から、主要なアプローチーー
・インナーゲーム
・コーアクティブ・コーチン
NLP神経言語プログラミングコーチン
ポジティブ心理学コーチン
・行動コーチン
・オントロジカル(存在論的)コーチン
・発達コーチン
・異文化間コーチン
これらを広範囲にまとめて、その広がりと共通要素を研究する書物なのです。
そして、さらなる「コーチングの未来」まで、見通そうとする試みです。



私自身は、コーチングを学び始めた当初から、
コーチングとは、ひじょうに興味深いアプローチだけれど……、
もっと『その先の未来』が存在するのでは?」
と不思議に思っていました。


コーチングは、たしかに面白い。
けれど、全ての人に、全ての日本人に合っているというものでも、実際ないでしょう。
もっと広く、多くの方々に活用できるアプローチが、
ありえるのではないか?


また、今、日本で行われているコーチングに、
「違和感」を感じておられる方も、いるでしょうね。
私は、そのお気持ちも理解しています。


この本は、コーチングを今、学んでいる方々、
そして、コーチングに違和感や疑問を感じている方々にも、
とてもお薦めできる、深い内容を持っています。
そして、コーチングのその先の未来」へ開く窓ともなっているのです。



●コーチに必要なものは『知識』と『スキル』と『自分の成長』です


コーチングは、ひとに希望を感じさせてくれる。
とはいえ「生業、仕事としてコーチング」は、まだ成長過程の未熟な状態にあるーー


ICC(国際コーチング連盟)共同設立者であり、
アメリカ、ヨーロッパ、南米、オーストラリア、アジア世界各地でトレーニングを行ってきたオコナー&ラゲスがこう書いているのですから、
説得力ありますよね〜〜。
ここには、コーチングにまつわる「夢」も「悪夢」も、両方実在している。



「私たちは、コーチ自身の成長をもっと重視する必要があります。
コーチは、自分自身の成長段階を越えるレベルで
クライアントを手助けすることはできません。
コーチ自身の成長段階や盲点が、
コーチのスキルの限界を定めます。
世の中には多過ぎるほどコーチ・トレーニングが存在してるのに、
『コーチ教育』は十分ではありません。
(略)

コーチに必要なものは『知識』と『スキル』と『自分の成長』です。」
同書P306〜307



そうなんです!!
コーチングを実践している者の(なんらかのコーチ資格を取得した後の)、
継続的な「自分の意識」「精神性」の錬磨と成長こそが、
コーチングをより信頼できる、深いアプローチに高めるでしょう。
ここに、「コーチングのその先の未来」があるかもしれない。



たとえば、「問題解決」や「目標達成」はコーチング実践での、ひとつのステージですが、
それは目の前の「目標」や「課題」に過ぎません。


それを越えた向こう側に、
コーチング関係の中で、クライアントさんもコーチ自身も、
一緒に意識や精神性を成長させて行けるのではないでしょうか。
ここをみつめて進んで行きたいですね。


例えて言えば、
地球上に新たな森林が再生して、広がるように……、
「共同的な意識の森」として私たちは、
まだこれから成長して行けるのかもしれない。